取引先に信用を与えることが、与信の意味です。通常の個人とのやり取りでは、大きなお金が動くことがなく、お金とモノを交換するだけで商売が成立します。企業同士での取引となると、基本は請求書でのやり取りが発生するものです。しかも大きなお金を後払いでもらうことになります。
この後払いの際に、相手先企業が倒産や焦げ付きを起こしてしまってはお金を回収することが出来ません。そのために、与信において審査や調査を行い、信用を相手先企業に与えるのです。企業としてどこまで信用できるか、それを決めることが与信の最大の役目と言えます。相手先企業の財務諸表や売り上げの傾向、資本金など複数の要素を調査し、倒産や焦げ付きの恐れがないか調べることが大切となるのです。
与信はいわば、相手先企業のリスクチェックという面もあります。会社全体で新しい取引先のリスクを共有しながら、取引を行うのは一般的なことです。相手先企業のチェックのために、管理部門はまず情報収集を行います。ここでは事業概要や財務諸表といった簡単なものを集め、基礎的な情報を手にするのです。
その上で商流分析を実施します。決算などの数値や業界での成績・評判などをチェックし、商流を調べるのです。ここまで実施した上で、情報収集と分析による結果を一度判定します。与信評価はここで決定し、以後は評価に合わせた取引限度額の設定や契約条件の交渉が行われるのです。
このプロセスとルールは自社内で標準化され、常に正しく運用されるべきものと言えます。